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アーカイブ: 2017年2月

配食サービスをイスプイッチ市内で提供しているNPO法人ミールズオンウィールズでの視察を報告します。

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早朝6時頃の訪問だったため、当日の食事を作るのに皆さん大忙しでした。

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毎日約145食分を調理し、高齢者や障がい者の各家庭へ。配食された食事をランチにするかディナーにするかは個人の自由だそうです。

職員は3人のみで、1人がメニュー作成等、2人は調理を行い、調理された物を容器に詰めたり、配達する人は全てボランティアの方がされています。

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登録ボランティア数は約180名で、毎日のように来る人、週1日~3日程度の人まで様々ですが、1日のボランティアは配達26名(2人1組)、料理に関わる人は5名程度だそうです。

費用は一律8.5AUドル(日本円 約850円)で日本の配食弁当と比べてかなり高額なようにも感じますが、物価の高いオーストラリアでは平均的な値段のようです。クイーンズランド州から1食2.5AUドルの補助金も出ているため、実際は1食あたり11AUドルと考えればいいと思います。

1956年、ローダ=キャメロン夫人の「この地域にはこういったサービスが必要だ」という思いからスタート。最初はキャメロン夫人の自宅で調理をし、配達も行っていたそうです。

現在の建物は1984年に病院跡地に作られたもので、昨年創立60年を迎えていました。

海外の福祉施設等事業を何度か視察させていただいていますが、共通していることはたくさんのボランティアの人たちに支えられて成り立っているということです。NPO法人ミールズオンウィールズでも調理後の全てをボランティアが賄っています。これは日本では考えられないことです。

海外ではボランティア活動に対する意識が非常に高く、ほとんどの人の中で生活の一部となっています。オーストラリアではボランティア活動を行っていることが就職時にも大きなポイントにもなるそうです。

日本でも東北の震災などを見てもわかるように決してボランティアに対する意識がないわけではなく、何かが起こったときの結束力、支えあう力は非常に大きなものがあります。

風土の違いこそあれ、日本にも日常の中で当たり前のように気づき、支えあうことのできる。ボランティアが日常の中に当たりまとして溢れている世の中になっていかなくてはいけないと感じました。

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「オーストラリアで学ぶ高齢者介護職員研修」2日目の報告です。

我々視察団が訪問したのはThe Salvation Army (サルベーション・アーミー:救世軍)が運営する施設Riverview Gardens(リバービュー・ガーデンズ)です。

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The Salvation Army (救世軍)について少しお話しておきます。救世軍はイギリスに本部を置き、現在、世界128の国と地域で活動する国際的なキリスト教(プロテスタント)の団体です。

その始まりは1865年。ロンドンの東部では、犯罪、貧困、失業、人口密集、その他の数々の社会悪が蔓延していました。牧師、ウイリアム・ブース氏は、色々な宗派からのボランティアと共に働いているうちに、やがてブース氏は自分が、遂にはザ・クリスチャン・ミッションと呼ばれ、急速に発展する運動(ムーブメント)の責任者となり、その組織と規律は軍隊の慣例に大いに影響を受けるようになっていきました。

1878年、ブース氏は「われわれはボランティアをするアーミー(兵士)ではなく、サルベーション・アーミー(救いの軍隊)である」という言葉を造り出し、この運動は公にThe Salvation Army(ザ・サルベーション・アーミー、邦訳は「救世軍」)と呼ばれるようになりました。「創立者」と呼ばれるウイリアム・ブース氏は大将となりました。その後、階級、制服、記章などが取り入れられるようになり、組織のための指針、規律、用語なども採用されるようになりました。

そして後にこの運動はその発祥の国を越えて発展し始め、現在は、世界128の国と地域で活動しており、オーストラリアにおいても1880年9月よりその活動が始まっています。日本においても明治の頃よりその活動が始まり、現在でも広く活動されていることは皆さんもご存知のことと思います。

リバービュー・ガーデンズについて報告します。

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リバービュー・ガーデンズはホステル(養護老人ホーム)、ナーシング・ホーム(特養)、フェアヘブン(Dementia:認知症棟)の他、自立者向けのインデペンデント・リビングで構成される施設サービスと在宅サービスを提供しています。

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この施設では午前と午後に分かれて様々なアクティビティが実施されていましたが、そこで要となるのが「ダイバージョナルセラピスト(総合療法士)」という日本では耳にしたことのない職種です。DTは40年ほど前に、オーストラリア赤十字のリハビリテーション分野でレジャーや精神的ケアの専門職としてスタートし、現在ではほとんどの高齢者介護施設(一部の在宅ケアや精神科、リハビリテーション病院等)で活躍しています。様々なレクリエーション、アクティビティ、セラピー等を楽しむ中で、高齢者一人ひとりが最後までその人らしく意味のある生を全うできるようにレジャーとライフスタイル全般にわたってサポートする「全人ケアの要」です。日本でも近年注目をされてきているようです。

入居されている方がDT指導の下、作成されたクラフト作品をプレゼントして下さいました。

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ナーシング・ホームでは大きなソファー型の日本では見たこともないティルト・リクライニング車椅子が衝撃的でした。

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歩行困難な方、立位の保持が困難な方が車椅子上でもゆったりと過ごせるように開発されたオーストラリア独自の製品だそうです。動くソファーベッドのようで、大きさにも驚きでした。

オーストラリアでは持ち上げない介護、いわゆる「ノーリフトケア」が推奨されています。これはオーストラリア看護連盟が看護師の腰痛予防対策として1998年にスタートさせたもので、「ノーリフト・ポリシー」として危険や苦痛を伴う人力のみでの移乗を禁止し、患者さんの自立度を考慮しながら福祉用具を使って移乗介護をすることを義務づけました。

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日本の場合、介護の基本技術もしっかりされており、また欧米のように体格が極端に大きい人は極わずかなこともあってか、一般的に行われている人力による移乗などの介助がまだまだ主ですが、欧米ではそれは最もリスクの高い作業とされていて、移乗用リフトなどの介護機器の導入がさかんに進められています。日本でも徐々に介護ロボットの導入等、職員の腰痛対策含め、少しずつ浸透し始めており、今後も注目していきたいと思います。

帰り際、100歳の入居者の方に出会いました。

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元々サルベーション・アーミーの職員をされていた方で、60年もの間、パプアニューギニアへ派遣され、務めておられたそうです。

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ここにはこの方のような元職員さんだったという方もたくさん入居されているそうです。自分たちがお世話になりたい、暮らしたいと思えるような施設作りがなされているのかなと感じました。

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オーストラリアの素敵な夕焼けを皆様に贈り届け、2日目のリポートを終わります。

皆様いつも恵泉グループへの温かいご支援に深く感謝申し上げます。

代表の狩野です。

平成29年2月19日~24日の予定で、研修企画:浅川澄一先生(福祉ジャーナリスト)、株式会社ヒューマン・ヘルスケア・システム様、旅行企画・実施:株式会社トラベルパートナーズ様による「オーストラリアで学ぶ高齢者介護職員研修」に現在恵泉グループ内の3名の職員と一緒に参加しています。

まだ研修参加中ではありますが、このブログを通じて皆様に現地よりオーストラリアの介護施設の様子などお届けしたいと思います。

日本の季節は冬。2月19日に成田空港を出発する際には寒さを感じていましたが、南半球のオーストラリアの季節は夏。毎日30℃を超えており、日差しもきつく、歩いていると汗びっしょりになってしまうほどです。

約9時間のフライトを終えて、オーストラリアはゴールドコーストに降り立ったのは20日午前6時半のこと。日本との時差はこちらが1時間進んでいるだけなので時差ボケを感じることは全くありません!

ゴールドコースト空港よりバスで最初の目的地であるイプスイッチ市へ向う途中、ブリスベン市内が一望できる公園に案内していただきました。

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初日の目的地はクイーンズランド州南東部にある最古の街イプスイッチ市。温暖で過ごしやすく、冬の最低気温は7℃位ですが、日中は20℃位の時も多く、夏服の人もいるほどです。12月〜2月の夏は最高気温40℃位まで暑くなるときもあり、実際に私たちが訪れる数日前は40℃の日もあったとか(汗

そして私たちがお邪魔したのがイプスイッチホスピスケアです。

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病院の役割として痛みの緩和と自宅の様な環境でゆっくりとした時間を過ごす役割をしているのがホスピスケア。


7部屋を提供しているこのホスピスでは社会の中にいるということを実感してもらえるように全ての部屋を道に面して配置して窓を開けた状態にしていました。
余命2~3週間と診断された方の医療的なサポートをフルタイム1名、パートタイム45名、ボランティア150名で運営されていました。年間予算2億円で50%が国の補助、50%が企業等からの寄付金で賄い、利用料金は無料だそうです。

残された遺族のケアにも力を入れる。
最初は悲しいが、徐々に亡くなった人を責めて、自分も責めてしまう。
精神的にも参ってしまう。

このホスピスでは入居者の死後、遺族と伴に庭にバラの花を植えられていました。

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私たちのグループでも看取りに取り組んでいる施設があります。決してホスピスではありませんが、お一人おひとりの命を重みをしっかり感じながら、責任のある務めを果たしていかなければと、改めて気の引き締まる思いのした初日の視察でした。

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