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「オランダ福祉視察ツアー研修紀行」Vol⑩~5日目認知症村「ホグウェイ」編~

オランダ福祉視察ツアー5日目。2件目の視察先は今回のオランダツアーのメインと言える、アムステルダム市内から車で20分程走った田園地帯の中にある認知症村「ホグウェイ」です。今回のツアーに参加されている方のほとんどがこの「ホグウェイ」視察を目当てに参加されていた程で、私たちも一番期待値の高かった場所です。

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「ホグウェイ」は昨年、イギリスのガーディアン紙が「認知症の人のテーマパーク」と報じたことで“認知症の人だけが暮らす「村」”として世界にその存在を知られることになった施設です。その報道を境に世界各国から視察団が押し寄せることになってしまい、入居者ご家族等からの苦情もあったため、現在は視察するにも人数制限がされています。私たちの視察団も半数しか視察を許されませんでした。写真撮影等も場所が限定されています。

元々はごく一般的なナーシングホームでしたが、スタッフの「ここはまるで病院のようだ」「もっと自分が生活したいような場所に変えていかなければ」と、スタッフ側からの意見から2007年に現在の形に建て替えられ、いわゆる認知症村を形成するに至ったそうです。

現在は認知症の人152名が7人ずつの8ユニットと6人ずつ16ユニットの合計24ユニットで構成されています。

日本だと1ユニット、2ユニットで運営するのが一般的ですので、“24ユニット”には大きな衝撃を覚えました。

私たちが介護(対人援助)を展開する際、対象となる方の歴史(育った環境、職業、生活環境、趣味、こだわり等)を知ることはとても大切にしています。その方の歴史等を知ることで、“その人らしさ”とはを追求し、その方に合ったケアを提供していくためです。特に認知症の人へのケアにはそこが重要になってきます。

「ホグウェイ」ではライフスタイル(生活歴)を7つのタイプに分類し、同じライフスタイルの人達が同じユニットで生活できるよう工夫されています。そのため入居前に、家族に、ご本人のライフスタイルに関する40項目の質問に答えてもらい、ご本人に合ったユニットを選択できるようにしているそうです。

7つのライフスタイルは以下のとおりです。
・都会的な暮らしを好むタイプ(アーバン)
・インドア派タイプ(ホームリー)
・習い事や芸術音楽が好きな文化人タイプ(カルチャー)
・インドネシアタイプ(インドネシアン)
・富裕層タイプ(Well-to-do)
・伝統を重んじ好む保守的なタイプ(トラディショナル)
・クリスチャンタイプ(Christian)
※入居後に別のユニットに移るケースもある。

費用は1日24,000円弱、月額は約700,000円で居室代、食費、医療費、介護費用が含まれます。

スタッフは240名で、常勤170名、夜勤の配置は入居者30人に対して1人です。
ボランティアは120名ですが、郊外の田舎にあるため、比較的ボランティアは集まりにくいそうです。

ここでも他の施設同様、点滴や胃瘻は造設せず「、自力で食べられなくなった場合も延命処置はせず、自然な形の看取りを心がけている」という方針でした。

「ホグウェイ」の特徴はライフスタイル別のユニットケアだけでなく、“認知症村”と呼ばれるだけに、敷地内に一つの街が形成されていることが挙げられます。

入口より足を踏みいれるとエントランスホールが私たちを迎え入れ、右手にはスーパーマーケット、左側にはレストラン、理容院や美容院があります。
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スーパーには食品や生活用品が売られています。
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高級ワインと並んで紙おむつが売られていたのにはビックリしました(笑)
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レストランです。
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コンサートホールやバーもあります。
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通りには映画館、音楽や手芸、料理等多くのクラブがありました。
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今回の視察で最も期待の大きかった「ホグウェイ」。
入居者の“ライフスタイル”に徹底的に拘ったユニットケア、レストランやスーパー、シアター、リハビリ、音楽教室、大工してる溜まり場、パン作り教室、絵画教室、美容院等によって造られた街は、認知症村というよりも、さながら認知症の人のための「テーマパーク」と呼べる環境で、今までに見たこともない光景に、“衝撃!?”“カルチャーショック!?”様々な言葉が自分の心の中を行き交いました。

「ホグウェイ」の素晴らしさを感じた反面、少しの違和感も覚えました。日本の認知症高齢者グループホームでは“地域との共生”が強く叫ばれます。地域の行事へ参加する、地域に食材を買い出しに出かけたり、遊びに出かけたり。地域との交流・・・それがここにはありません。

外へ出なくても全てが揃っているということもあります。施設の立地条件が郊外の田舎にあり、少し隔離状態にあることも否めませんが、敷地内の移動は自由と言えば自由ですが、「ホグウェイ」への入り口はオートロックで施錠され、監視カメラで内・外部からの人の出入りが厳重に警備されていました。

どんなに素晴らしい設備や環境が整っていても、そこは決して生まれ育った場所ではありません。

地域との交流が持つ意味は小さくはありません。
「ホグウェイ」の良さ、凄さを実感したと同時に、あらためて日本の“地域共生ケア”の良さも感じることの出来た視察になったように思いました。
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<ゆったりのんびりたのしく 介護・福祉のトッツ>
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